抑えておきたいITIL導入を管理するプロセスにおける注意点

近年注目されているITILとは、ITサービスマネジメントの国際標準として活用されているものです。品質マネジメントの世界標準としてISO9000シリーズはよく知られていると思います。システム運用にかかわる世界標準は、このITILだと理解すると分かりやすいです。そもそもITILは、ITサービスマネジメントの良い事例が集められたノウハウ本のようなものです。もとはイギリス政府がどのようにITを高度化し、さらに運用効果を出していくかガイドラインとしてまとめたものです。では、ITをより良く運用していくためには、人材、プロセス、技術、体制等をどのように管理していったら良いのでしょうか。また、チェックや改善していく上でどんな障害があるのでしょうか。今回は、ITIL導入における管理のプロセスについて分かりやすく解説しながら、注意点もしっかりおさえておきたいと思います。

知っておきたいITIL導入を管理するプロセス上の社内の反応

ITIL導入をしようとすると、組織からはネガティブ反応が起こることを覚悟しなければなりません。定着するまでには目に見える効果がなく、新しく面倒なことを押し付けられるといった反応はどうしてもあります。このような担当者の苦労に加え、投資にかかるコストも大きいものです。しかも、投資をしてもすぐにリターンが得られるわけではありません。そんな中で、目的を見失うことなく段階的にそして継続的にITサービス提供の品質を高めると同時に、IT運用の効率化も目指していかなくてはなりません。目標を定め、方法を考えて一連の活動を実践していく管理のプロセスが必要です。そのためにはその会社におけるIT課題の優先度を把握し、すぐに着手できるもの、中長期的に取り組むべきものに仕分けします。段階的に結果と照らし合わせながら管理をすすめていきます。

わが社に合うITIL導入を管理するプロセスとは

ITIL導入をするにあたって想定しておきたい事態は、どのように導入を進めていくかによっても変わってきます。すでにあるIT部署が核となって導入する場合は、日々の業務で忙しく、改善する活動に注力できないということが起きる可能性を想定しておかなければなりません。またトップダウンで全社あげてのプロジェクトとして導入する場合は、経営陣たちの本気度が成功を左右します。費用も短期集中型でかけることが多いので、早期に効果を上げていくためには、社内各部署に十分なスキルを持った社員がいることが前提となるでしょう。いずれも組織の意識改革は必須ですし、評価指標の決定やその継続的なチェックをしていくことは欠かせません。各社にあった管理のプロセスとはどんなものなのかを見極めて、ITILを導入することがひとつのポイントになります。